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あなたがグチる「ヤな職場」は「幸せな環境」かもしれません。

先頃、3名の元同僚たちと話す機会がありました。
なつかしい顔ぶれでが膝をつきあわせたものの、すぐに互いのシゴトの現状報告になってしまうのはやはり長く勤め人をしてきた年齢のせいでしょうか。
そのうちのひとりが自らの関わるビジネスについて「今抱えている問題」を論じはじめました。社内のモチベーション不足について深刻な表情を浮かべながら話しています。
スタッフから出てくるのは職場環境の要求やグチばかり。どうしたらポジティブな意見をいいあえる環境に置き換わるか。
言葉の端々から悩みの深さが伝わってきます。私も件の人物が語る職場を知っているので、うまく機能していない職場の様子が手に取るように浮かんできてツラい。
「確かにマズいよな、あの会社の空気…」


そんな想察をしていると、思いがけないセリフが別のひとりから投げかけられました。
「いいなあ、そんなふうに考えられる会社」と。

おいおい。ヒトの話をちゃんと聞いてたのかよ? うらやましく思えるコメントなんかどこにもなかったじゃないか。
当然まわりのみんなは、問いただします。

「みんなが問題意識をもってグチを言い合える風土なんて、ウチの会社にはない。ワンマン社長の鶴の一声でなんでも決まってしまうし、その社長に意見しようにも、長期出張だ、ゴルフだ、交流会だといって姿をほとんど見せない。そもそも社内にコミュニケーションなんて存在していない。意見をいいあう仲間がいるなんてすごくうらやましい」
というのです。

モノの考え方で解釈なんて180度変わってしまう。わかりやすい事例でした。

だれでも隣の芝生が青く見えてしまうものです。
かつての私自身も、そんなふうに思ってばかりの時期がありました。東京で活躍し有名になった元同僚、会社を成長させた経営者、ひとりで気ままに好きなことを商売にしている同級生などなど。みんないいよなあ…と。
しかしよく考えたら、そのすべてを自分で選択してきたわけですから、だれのせいでもありません。他人をうらやましがっているだけの「ダメな自分」がいるだけです。

気の持ちよう、といってしまえば月並みな答ですが、それしかありません。私がグズグズ悩んでいるときに、いつも友人(住設工事を営む職人親方)がいいます。

「バカだなあ、もっと今を楽しめ! いったいオマエごときが何様だ? 会社に仲間がいて酒飲んで飯が食えて家族がいて時々旅行なんかにも出かけてるクセに、なんだよオマエ。成長だとか野心だとか、そんなものは人生のオマケ。オマケまであるヤツが楽しめないわけがねえだろ。バカだなあオマエはホントにバカだ」

「バカだバカだ」と連発されると「反省する」というよりムキになってしまいます。
だからでしょうか。なつかしい連中と会ったときに私は「自分がいかに目の前の苦労を楽しんでいるか」を話します。すると、たいていのヒトは「いいですね」とおっしゃる。
ホントはヤなことだってあるんですが。

コメント (2)

35歳の社長:

弱小企業の仕事は多岐に渡ってて本当に難しい。もちろん従業員のモチベーションはどうやったらあがるのか?という高度な悩みも、会社のスリッパはどんなのがいいかという低レベルな悩みまで、同じ頭で考えるわけだから混乱もします。私の悩みはもっぱら女性従業員の育休取得についてです。良く出来る女性なので子供を産んでも戻ってきて欲しいと思う反面、少数精鋭でやっている会社の現状を考えると、休みはなるべく少なくてもどってきてくれないかなあという希望もあるし、自分の立場を考えたら育休1年下さいなんていうなよ!など勝手なことも思うし、基準法ではきまってるしなあと半分あきらめもあるし、どうしたらみんながハッピーなのかなと
ここ最近はご飯を食べながらでもふとその事を思い出してしまったりします。

伊藤秀一(当ブログ管理者):

35歳の社長様>
記念すべき初コメント、ありがとうございました。
育児休暇について葛藤されるお気持ちはたいへんよくわかります。弊社でも役員のひとりが思いがけず(しかも創業期に)「育児休暇」をとることになり、本人にはずいぶんイヤミを言ってしまったことを思い出しました。経営者はどうしても会社の勝手な都合で考えてしまいます。
一方、「結婚して」「母になる」ことを望む女性たちは、働きつづけられる環境について真剣です。
育休後、すぐにフル稼働の勤務を望むのではなく、少しずつ段階を経てのリハビリ復帰ができる環境が整えられるといいのかな。…と弊社では考えています。

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2006年4月20日 21:14に投稿されたエントリーのページです。

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