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こだわりを譲れない恐怖のプロ魂

写真家 渡辺裕之氏と久々の再会。
もう50歳なのにワシより年下に見えるから悔しいではないか。
このヒト、カンヌ映画祭で賞獲ったり、
今年も『シングルモルトのある風景』なんて写真集を
小学館から上梓したりで意欲的。
‥‥なんだけど…

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コミュニケーションが難しくて
めんどくさくて厄介なオジサンなのです。


打合せで曖昧なことがあると叱られるし、
写真の扱いやデザインがお気に召さないと機嫌が悪くなるし、
深いプロフェッショナルなこだわりを持っているので
ちょっとでもエラそうな態度をとると、
胸ぐら捕まれたりします。


だから若い衆はビビってしまって、とっつきづらい。


頑固な主がいる老舗蕎麦屋のカウンターで
セイロに張り付いた最後の一本を箸で掴むのをあきらめると、
「二度とウチの暖簾をくぐるんじゃねえ!」
と主に言われるような緊張感‥‥って、
わかりにくいか。


まあとにかく恐怖のカメラマンです。


こんなことを書いていることがバレたら、
本人が殴り込みに来そうですが本当だから仕方ありません。


ワシも小僧時代にはたっぷり叱られて
いい経験になっているので、このヒトに対しては免疫力ができています。
しかもワシはそんな恐怖オヤジの講釈を
尊敬できることもある。


で、久々に呑んだらいっぱい名言が出てきた。


『二十代だろうと五十代でも関係ない。
いくつになっても、いくらカネ持っても、私生活がハッピーだっていっても
ソイツなりの修羅場ってもんが必ずやって来る。
必死で歯ぁ食いしばっていても、相手に軽く見えても関係ない。
ソイツには必死。ソイツが乗り切る』


『まだ“オレにはノビシロがある”って思ってたら、
年齢なんか関係ないでしょう。まだまだそのヒトは成長するんだって。
だから写真集なんかもやってんだよ。どーだ!』


『一緒にやってた後輩が自ら命を絶った。そんな逃げ方ありか?
逃げるんだったら生きたままケツまくれって。
夜逃げして誰もおらんところにトンズラしたらいい。
自分の死体を見せるのって。
残されたほうの気持ちになると堪らんよ』


『みんなだれでも自分勝手だからいいんだろう。
羨ましくもない。かわいそうでもない。自分がいいと思うことしてる。
だからムリしてスタイル変えなくていい』


いやあ。NABEさん、ビリビリしびれたよ。
そして帰り間際に氏はワシに言った。


『オレァこれからグイグイ来るぞ。みとれ』


現役ツッパリおやじだな。

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2010年9月15日 19:49に投稿されたエントリーのページです。

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