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時は流れてクララを想う。

おバカな高校時代、
駅裏の『クララ』という喫茶店の常連だった。
現代じゃ考えられない(当時でさえ珍しかった)けど、
学生服のまま喫煙してもお咎めナシ。
当然溜り場になった。

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いつもキザで気取り屋だった
スガタヨシキはその店で
「ダスイとブンタ」と気取って注文をしていた。
ダスイはソーダ水でブンタはセブンスター(煙草)のこと。
今や鮮やかな緑色のソーダ水なんて
ほとんど見かけなくなってしまったけれど、
当時は喫茶店の定番だった。


ダスイとブンタを注文するスガタ、
必ずもらいタバコをするワダ、
テーブルゲーム機の麻雀に
ひたすらカネをつぎ込んでしまうショージ、
ひかる一平似のヤガイ、
親分肌のモッチャン、
190cm超えノッポのキヨシ、
危険な内職を紹介してくれたヤマシタ、
早めに高校卒業しちゃったイッケンとオーカとアツヤ、
そこでずっとバイトをしてた紅一点ヒロミちゃん、
そんな悪友たちが互いに約束することもなく、
自然にクララに集っていた。


思えば当時の光景は、
当時流行ったビーバップハイスクールのまんま。
仲の良いマブダチ(←敢えての当時表現)に恵まれ、
巷で人気のかわいい彼女がいて、
サイコーの人生だと思っていたけれど、
時間に関して言えば、
サイテーのムダ遣いをしていたんだよなあ…。
当時、あの家に帰るのがイヤで
友人宅を放浪していた。


そんな時代に過ごした家も、
今や住む人がなく売却することになり、
なぜか当時のクララの風景が思い浮かんできた。
店のママさんどうしてるかなあ。
まだ元気でいてほしいなあ。
そして謝りたいなあ。
オレたちのせいで客が逃げたはずだよなあ。


我が家も他人に渡り、
クララなんてずいぶん前になくなっている。
一度あの時代のクララに行けたら、
楽しいだろうなあ…。

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2016年7月16日 23:03に投稿されたエントリーのページです。

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